伝統的工芸品萩焼の特徴とは

【萩焼ってどんなやきもの?】

●萩焼の起源~現在
藩主毛利輝元公が豊臣秀吉公の命による朝鮮出兵の際、朝鮮の名工であった李勺光・李敬兄弟を招
き、兄弟が毛利家より俸禄を賜る御用窯として作陶したことに始まります。
その後、多くの陶工に技が受け継がれ、努力・精進により今日の隆盛を見るに至りました。
2002年経済産業省より「伝統的工芸品」に指定され、下記の規約が制定されました。

●当店では…
当店では、作家・樋口大桂が一切の妥協をせず、「伝統的工芸品」としての規約を遵守して作陶した作品をご案内しております。
又、日本工芸会に所属し、公募展などに出品するための作陶をしながら、日々自己の研鑽に努めております。
多くの皆様に、本物の萩焼と言える樋口大桂の作品をお使いいただき、土のぬくもりの伝わる萩焼の良さを知っていただければと思っております。

《萩焼の特徴について》 
●伝統的工芸品⇒萩焼は伝統的工芸品に指定されているやきものです。
●萩の七化け⇒萩焼は作陶する人間により生まれ、使う人によって味わいを増し育っていくやきものです。
●うつわの比較検証
 萩焼は、ガラス製品と比較してビールなどの飲み物がとってもおしいくなるやきものです。
 萩焼は、ガラス製品・磁器と比較して冷たいものをより冷たくさせるやきものです。
 萩焼は、磁器と比較して熱いものを入れてもあまり熱く感じず、逆に冷めにくいやきものです。


《萩焼の工程》
●土もみ-1・荒もみ2・菊もみ→3・まとめ
●成型(ろくろ)-1・水引き→2・乾燥→3・ケズリ・仕上げ→4・乾燥→5・(化粧掛け)→6・乾燥
●成型(押し型-)1・成型→2・乾燥→3・ケズリ・仕上げ→4・乾燥
●成型(たたら)-1・土伸ばし→2・乾燥→3・成型→4・乾燥→5・仕上げ(足付け)→6・乾燥
●焼成-1・窯づめ→2・素焼(900℃)→3・窯出し→4・釉がけ→5・窯づめ→6・本焼(1280℃~1300℃)→7・窯出し

《萩の七化けはぎのななばけ
萩の陶土は、きめが粗く耐火度が高いため焼き締らないという特徴があり、素焼・釉薬け・本焼という工程で2回焼成します。
釉薬をかけて本焼をすることで強度が増すと同時に、陶土と釉薬の収縮率の違いによる表面のひびわれた状態の貫入(かんにゅう)がおこります。
貫入により吸水性が生じることにより、お茶などの色見のあるものを入れると次第に染み込んでいき、ご使用の度合いによって味わいが出ることから『萩の七化け』とよばれ、お茶人からも特別好まれるようになった所以かと思います。
伝産法の規約に基づいて作陶した作品は、大量生産品と違いとても味わい深いものになります。
萩焼は作陶する人間により作品が生まれ、その作品を使う人によって大切に育てられることにより、侘び・寂びのある深みを増した作品に完成されていくやきものです。

《伝統的工芸品
萩焼は2002年1月経済産業省より伝統的工芸品として指定され、下記の内容は実際に告示された資料に基づき掲載しております。
一・伝統的工芸品の名称 萩焼(はぎやき)
二・伝統的な技術又は技法
1・胎土(たいど)は水簸(すいひ)により調合すること。
2・成形は、ろくろ成形・手ひねり成形・押型成形・たたら成形によること。
3・素地の模様付けをする場合、化粧がけ(けしょうがけ)・刷毛目(はけめ)・象がん・印花(いんか)・面取り(めんどり)よること。
4・釉掛け(ゆうかけ)は、ずぶ掛け・柄杓(ひしゃく)掛け・吹き掛けによる。この場合において、釉薬は、木灰釉(もくばいゆう)・藁灰釉(わらばいゆう)・鉄釉(てつゆう)とすること。
5・窯詰めは、天秤積み(てんびんつみ)・棚積み(たなつみ)・さや積みによること。
三・伝統的な原材料 使用する陶土は、大道土(だいどうつち)・金峯山土(みたけつち)・見島土、又はこれらと同等の材質を有するものとすること。
四・製造される地域 山口県萩市・長門市・山口市・阿武町・大津郡三隅町
五・指定年月日 平成14年1月30日