九州・山口陶磁展
≪第93回九州・山口陶磁展≫【結晶釉輪花二重口壷】
■作陶のご説明■
◎(本体径)23.5cm×(高さ)23.5cm
◎陶土―大道土 ◎釉薬―わら釉薬 ◎焼成―酸化焼成
■樋口大桂の思い■
わたしにとって結晶釉という作風との出会いは、1991年まったく偶然のものでした。
萩焼の原材料(陶土・釉薬)で作陶したのに、それまで私が作陶していた萩焼のやわらかい素朴さと
は違う味わいに魅了されてしまいました。
しかし、偶然の産物を再生させるということは、大変難しく当然かなりの年数を要しました。
何度かの挑戦の結果、口造りを二重の輪花にすることで一般的なつぼとは違う造形と、結晶釉の作
風を融合させた、上品な作品の出来上がりに大変感激しました。
≪第90回九州・山口陶磁展≫【萩化粧線紋八角花器】
■作陶のご説明■
◎(本体径)33.0cm×(高さ)27.0cm
◎陶土―大道土 ◎化粧がけ―刷毛目・吹き掛け ◎釉薬―木灰釉薬 ◎焼成―還元焼成
■樋口大桂の思い■
まず、前年度同じ公募展で入選した作品の掛分の技法を、形を変えて作陶するという冒険的なこと
を考えました。
私の基本はろくろ成形ですのでどうしても丸くなってしまう原形を、どうやって変形させられれる
のか、又、掛分の技法をどうすればいかすことができるのか、かなりの時間考え悩んだ結果、直線
的な造形を目的とし、萩の柔らかい味わいと融合させるというイメージを、自分の頭の中での結論
としました。
陶芸は絵画と違い、失敗したからといって何度も書き直すことができません。
実際の作陶にとりかかり、かなりの日数をかけて丁寧に造り上げ、イメージ通りに出来上がった時
は大変うれしく思いました。
また、その結果として出品した作品が入選できたことは、前年度とは少し違う感激でした。
≪第89回九州・山口陶磁展≫【萩化粧線紋壷】
■作陶のご説明■
◎(本体径)36.5cm×(高さ)30.5cm
◎陶土―見島土 ◎化粧がけ―ずぶ掛け・吹き掛け ◎釉薬―木灰釉薬 ◎焼成―還元焼成
■樋口大桂の思い■
「一焼・二土・三ろくろ」と言われるように、焼成による色合いにこだわった作品です。
『大きい作品に萩の窯変を出したい。』と思ったのが、この作品を造るきっかけでした。
御本手の出てるところと出てないところのコントラスト、現在の掛分けの原点となるものです。
九州・山口エリアにおける公募展の初入選でしたので、大変感激しました。